原子力利用に関する批判的検討のための資料を紹介した拙稿のPDFに下記がある。Part1とPart2は、『技術史』(日本科学史学会技術史分科会)No.9-13において公刊済みであるが、Part3は未定稿であり、まだ公刊していない。
- 原子力発電実用化前の原子力利用推進論:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介part1 Ver9.2(PDF)
- 原子力発電関連文献ガイド:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part2 Ver7.2(PDF)
- 原子力発電擁護論 vs 原子力発電批判論:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介part3 Ver4-4(PDF)
(1) 分析視点 2
(2) 1940年代後半期~1950年代の日本における原子力の非軍事的利用に関する文献資料 3
(3) 戦後から1995年までの国会審議における原子力をめぐる議論 7
2. 原発実用化前の段階における原子力をめぐる社会的言説 — 新技術のスタートアップ問題という視点からの考察の必要性 — 9
(1) 新技術の実用化におけるスタートアップ問題 — 技術革新の遂行に必要とされる「研究開発時間の長期性」、「研究開発費用の多額性」、初期製品の「高製造コスト」性・「低性能」性 9
(2) 原子力の産業的実用化に向けた社会的スタートアップ問題 11
(3) 被爆国日本における原子力発電の社会的受容に関する、科学・技術の「両刃の剣」論の歴史的役割 14
a. 「科学・技術の二重性」論と「科学・技術の善用・悪用」論の融合としての、原子力の「平和」的利用論 14
b. 科学・技術に関する「両刃の剣」論としての、「二重性」論および「善用・悪用」論 18
c. 科学・技術に関する「両刃の剣」論と「東洋道徳・西洋芸術」論の理論的親和性 19
d. 科学・技術に関する抽象的な「両刃の剣」論による原子力発電の社会的正当化 21
e. 科学的知識、技術学的知識、技術的知識、製品の区別と連関という視点からの、「両刃の剣」論に関する批判的考察の必要性 21
3. 原発実用化前の原発推進論の歴史的展開を分析するための便宜的時期区分、および、対象資料 24
(1) 産業的利用可能性が抽象的=理論的な段階における原子力への社会的注目 24
a. ラジウム原子の放射性崩壊によって発生するエネルギー量の「巨大さ」の社会的意義の強調の背景的意図としての、自然科学的活動の社会的正当化 24
b. ラジウム原子の放射性崩壊によって発生するエネルギーの社会的利用可能性に対する批判 — ラジウムの「希少性」、「精製コストの高さ」、「放射線被曝の危険性(取り扱いの危険さ)」に基づく批判 — 25
(2) 原子力の現実的利用可能性の具体化に向けた歴史的進展 — 1930年代 26
a. 人為的コントロールが可能な自然的プロセス発見の重要性 — エネルギーの動力化のための必要条件 26
b. 中性子を衝突させることによる、原子核分裂現象の発見に向けての歴史的動き 27
c. ウラン235の原子核分裂による発生エネルギー量の巨大さ、および、連鎖反応に関する科学的認識の形成 27
d. ウラン235濃縮技術の開発、および、原子炉の臨界の実現 28
(3) 産業的利用可能性が具体化しつつある段階における原子力への社会的注目— 1940年代前半~1950年代前半 29
4. 第二次大戦前の外国における原子力関連記事 31
(1) 放射性物質が持つ原子力および原子エネルギーに関する初期の言説 31
(2) 20世紀初頭のH.G.ウェルズのSF小説における原子力に関する言説 41
(3) 1930 – 1940年代における原子力関連特許 43
(4) 1939年における連鎖的核分裂反応に関する専門論文 44
(5) 1940年代初頭アメリカの専門雑誌および専門書における原子力関連の記述 45
(6) 1940年代前半期アメリカの原子力関連の専門的資料 47
(7) 1940年代前半期におけるアメリカの大衆科学雑誌における原子力関連記事 48
5. 第二次大戦前の日本における原子力関連記事 52
日本軍における原子力研究 61
1944年における「科学戦争」論的議論の中の、ウランの核分裂による大量エネルギー発生に関する議論/ 65
6. 原子力の「巨大さ」の象徴としての原子爆弾に関する、1944年-1945年前半の日本における新聞記事および雑誌記事 67
a. 原爆に関連する1944年の新聞・雑誌記事 67
b. 原爆に関連する1945年前半の新聞・雑誌記事 69
7. 第二次世界大戦後~1950年代前半期の海外における原子力関連の事項および文献資料 —- 海外における原子力の産業的利用論および「平和」的利用論 70
a. 1945年の原爆投下後の原子力関連資料(1)—原子力の産業的利用に向けた戦後直後の動き 70
b. 1945年の原爆投下後の原子力関連資料(2)—戦後の大衆的雑誌や新聞などにおける原子力の産業的利用に関連する記事 74
c. 1946年の原子力関連資料 78
d. 1947年の原子力関連資料 86
e. 1948年の原子力関連資料 90
f. 1949年の原子力関連資料 93
g. 1950年の原子力関連資料 94
h. 1951年の原子力関連資料 94
i. 1952年の出来事および原子力関連資料 95
j. 1953年の出来事および原子力関連資料 96
k. 1954年の原子力関連事項 99
l. 1955年の原子力関連資料 100
8. 第二次世界大戦後~1950年代前半期日本における原子力関連の事項および文献資料— 日本における原子力の産業的利用論および「平和」的利用論 103
(1) 1945年8月~1950年代前半期の日本における原子力関連の記事や論文 103
a. 日本への原爆投下に関わる終戦前の新聞記事 103
b. 第二次世界大戦終戦当日の新聞記事 104
c. 第二次世界大戦終戦翌日の1945年8月16日の新聞記事 106
d. 1945年の原子力関連資料(2) — 1945年8月17日以降 109
e. 原子力研究に関連する1945年GHQ指令および1947年極東委員会決定 113
f. 1946年の原子力関連資料 114
g. 1947年の原子力関連資料 127
h. 1948年の原子力関連資料 135
i. 1949年の原子力関連資料 145
j. 1950年の原子力関連資料 153
k. 1951年の原子力関連資料 160
l. 1952年の原子力関連資料 165
m. 1953年の原子力関連資料 175
n. 1954年の事件および原子力関連資料 185
o. 1955年の原子力関連資料 207
(2) 「平和のための原子力研究推進」論と坂田昌一 246
a. 「平和のための原子力研究推進」論 — 原子力工業を中心とする20世紀後半の産業発展という考え方、および、基本的条件としての原子炉 246
b. 「平和のための原子」イデオロギーへの先駆的批判 248
c. 「原子力発電=未確立技術」論 249
d. 原子力研究が平和のためにのみ役立つことを保証するための、「公開、民主、自主の三原則」 249
2. 原子力に関する英語参考文献目録 7
3. 原子力利用に関する、実用化前の社会的言説 9
(1) 原子爆弾の「平和」的利用論 - 「平和的核爆発」論 9
a. 日本における原子爆弾などの「平和」的利用論 11
b. アメリカにおける原子爆弾の「平和」的利用 -プロウシェア・プログラム(Plowshare Program) 15
c. アメリカにおける原子爆弾の「平和」的利用 -チャリオット計画(Project Chariot) 28
d. ソ連における原子爆弾の「平和」的利用 30
(2) 日本における初期原子力開発に関する証言および回想 33
(3) 1950年代後半期日本における原子力の「平和」的利用、産業的利用に関する歴史的議論 43
a. 原子力という語句をタイトル中に含む雑誌・新聞 43
b. 単行本(その1) 56
c. 単行本(その2) — 教養原子力講座シリーズ(6巻+別巻) 61
d. 論文 62
(4) 日本の電力会社関係者による原子力発電に関する1950年代における解説 64
a. 東京電力関係者による一般雑誌における解説記事 64
b. 東京電力の社内報における解説記事 64
c. 東北電力関係者 68
d. 関西電力関係者 69
e. 電気事業連合会 69
f. 電源開発株式会社 70
g. 日本原子力発電株式会社 71
(5) 日本の原子力発電所メーカーの社内報における原子力関係論文 72
(6) 米国における原子力の軍事的利用 74
a. 1945年以前における軍事的利用の歴史 74
b. 戦後初期におけるアメリカの核戦略 74
(7) 初期における原子力発電関係のGoodmanの著作 75
(8) 米原子力委員会(AEC)の初代委員長リリエンソール関連 76
(9) アイゼンハワー米大統領の1953年12月8日国連演説Atoms for Peace関連 79
4. 原子力利用に関する、実用化前の社会的言説に関する歴史的=社会的研究 80
(1) 戦前および戦後初期(1945~1955)における原子力の産業的利用論・平和的利用論に関する歴史的=社会的研究 80
(2) 戦後初期日本における原子力開発論に関する歴史的=社会論的研究 81
5. 原子力発電技術および原子力産業の歴史的展開 84
(1) 原子力産業の歴史 84
(2) 米国における原子力 86
a. 米国における原子力政策 86
b. 米海軍における原子力 86
c. 米国における原子力発電開発および原子力産業 87
d. 米国の原子力発電 - アメリカの上下両院合同原子力委員会(Joint Committee on Atomic Energy)関連 91
e. 米国の原子力発電 – 米国原子力委員会(AEC, United States Atomic Energy Commission)関連 92
f. 米国の原子力発電 – 米国原子力規制委員会(NRC)による原子力規制の歴史 95
g. 米国の原子力発電 – その他の英語文献[発行年順] 96
(3) イギリスの原子力 99
(4) フランスの原子力 103
(5) ソ連の原子力 107
(6) その他の国の原子力 111
a. ドイツ 111
b. 台湾の原子力 111
c. 中国における原子力開発 111
d. その他 111
(7) 原子炉技術に関する歴史 112
a. 原子炉技術に関する包括的歴史 112
b. 軽水炉技術関連の歴史 114
c. 沸騰水型軽水炉に関連する技術の歴史 115
d. 加圧水型原子力発電所の蒸気発生器 115
e. 再処理技術および高速増殖炉に関連する技術の歴史 115
f. 原子炉関連要素技術の歴史的発展 – 原子炉用ジルコニウム合金に関連する技術の歴史 115
g. 発電関連の要素技術の歴史的発展 –復水器に関連する技術の歴史 115
h. 発電関連の要素技術の歴史的発展 –耐震設計問題 115
i. 発電関連の要素技術の歴史的発展 –その他 116
j. 原子力発電所の安全性と技術進歩 116
k. 原子力発電の立地技術 116
(8) 原子力の歴史関連の雑誌 117
6. 原子力関連機関の歴史 118
(1) 日本の原子力関係機関 118
(2) 国際原子力機関(IAEA, International Atomic Energy Agency)関連 119
(3) 海外の原子力機関の歴史関連(その他) 121
7. 原子力発電の歴史的展開に関わる解説的記述およびトピック的記述 122
(1) 原子力発電の歴史的展開に関する年表 122
(2) 関係者による日本の原子力発電の歴史関連の記述 122
(3) 「第4世代原子力発電システム」論 123
(4) その他の関連資料 123
8. 原発事故論 - スリーマイル島原発 124
9. 原発事故論 - チェルノブイリ原発 128
10. 原発事故論 - 福島第一原発 133
(1) 福島第一原発事故に関する報告書 133
(2) 福島第一原発事故の原因論 133
(3) 福島第一原発事故に関する論文・単行本 134
(4) 福島第一原発事故を踏まえた今後の対応 136
(5) 福島第一原発事故後の政策論 136
(6) 福島第一原発事故の損害賠償問題 136
11. 原子力発電技術に関するデータ集・白書類・ハンドブックおよびデータベース 137
(1) 原子力発電関連数値データ集 137
(2) 原子力関連ハンドブック/白書類/新聞 137
(3) 原子力事業関連データベース 139
(4) 電気事業関連データベース 139
(5) エネルギー関連ハンドブック/白書類 140
(6) IEAによるエネルギー関連白書・報告書 141
12. 原子力発電に関する事故被害、リスク評価、「安全性=危険性」問題 144
(1) 日本における大型原発事故発生時の被害推定 144
(2) 原子力発電に関するリスク評価 - シビア・アクシデントに関するリスク評価 145
a. 第1回ジュネーブ会議における報告 145
b. 米国における原発事故の被害予測に関する1957年のブルックヘブン報告書WASH-740 146
c. 米国における原発事故の被害予測に関する1975年のラスムッセン報告書WASH-1400 147
d. 米国におけるシビアアクシデントに関する1990年のリスク評価報告書NUREG-1150 149
e. リスク論に関する批判的検討 150
f. 原子力推進派の安全性論 150
g. 原子力発電の「安全性=危険性」問題 151
h. 原発事故関連のその他の議論 152
(3) 原子力の安全規制問題 152
13. 原子力発電に関する歴史的=社会的研究 154
(1) 科学史的研究・技術史的研究・社会史的研究・科学社会学的研究 154
(2) ジャーナリズム論的研究、メディア論的研究 158
(3) 社会心理学的研究 160
(4) 社会論的研究・政治学的研究 160
(5) 原子力発電に関する経済学的議論 163
(6) 原子力発電に関する経営史的研究 163
(7) 電気事業経営史関連文献 164
(8) 原子力発電に関する政治史的研究 164
(9) 原子力発電と法律および法規制 165
(10) 電力自由化と原子力発電 166
(11) 原子力発電市場 166
(12) 脱原発論・縮原発論に関わる経済的分析 166
14. 原子力発電技術および原子力に関わる政策 167
(1) 日本における最近のエネルギー政策 167
(2) 日本の原子力技術政策および原子力政策 167
a. 原子力委員会の歴史関連資料 167
b. 日本の原子力政策の歴史的分析 167
c. 原子力政策関連文書 168
(3) 海外の原子力技術政策および原子力政策 173
15. 原子力発電労働者の被曝問題 175
16. 原子力発電論争 175
17. 原子力推進派の論理 176
(1) 行政機関における原子力発電推進論 176
(2) 「地球温暖化」論視点からの原発推進論 176
(3) 「国際貢献」論視点からの原発推進論 176
(4) 推進派による原子力関連の解説およびイデオロギー的議論 177
(5) 原子力開発の戦略 178
(6) 技術者の立場からの原発推進論 178
(7) 日本原子力学会関連 179
18. 原子力批判派の論理 180
19. 原子力問題関連の雑誌の特集号およびリスト 188
20. 放射線被曝/低線量被曝/内部被曝問題 194
21. 原子力発電コスト問題 195
(1) 2010年までの原発コスト関連資料 195
(2) 2011年以降の原発コスト関連資料 207
a. 政府資料 207
b. 批判的検討ほか 207
(3) 核兵器関連コスト 208
22. 原発関連論文・記事・解説パンフレット・教材のWEB掲載サイト 209
(1) 研究団体関連 209
(2) 出版社関連 210
23. 原発関連資料・パンフレット 216
(1) 原子力関連広報サイト 216
(2) 原子力関連国際機関 219
(3) 原子力関連の国際団体 219
(4) 原子力関連の日本行政機関 220
24. 原子力関連COEプログラム 221
25. 原子力研究関連団体WEBページ/再生可能エネルギー研究団体WEBページ 222
(1) 原子力関連歴史的資料 222
(2) 原子力研究団体WEBサイト 222
(3) 再生可能エネルギー関連WEBサイト 222
26. 原子力関連用語を解説したWEBサイト 223
(1) 原子力発電用語の解説サイト 223
(2) 放射線・被曝関連用語の解説サイト 223
27. WEB上の原子力関連教材 224
28. WEB上の辞典 224
29. その他関連資料 225
(1) 福島第一原発事故関連の図解 225
(2) 原子力関連動画サイト 225
(3) クライメートゲート事件 –地球温暖化に関わる原子力発電批判論 225
(4) 石炭火力発電技術関連 225
あとがき 226
(1) 原子力発電の営業運転開始後の社会的注目 —- 1970年代石油危機、1979年スリーマイル島原発事故、1986年チェルノブリ原発事故、20世紀末の地球温暖化問題、2011年福島第一原発事故 1
(2) 本稿の構成 3
2. 原子力発電の社会的選択に関する歴史的視点からの考察 4
(1) 技術の社会的選択の規定諸要因 — 「法」的要因、「政治」的要因、「経済」的要因、「社会意識」的要因 4
(2) 「科学的可能性や技術的可能性」問題と「経済的メリットや政策的有用性」問題の区別と連関の視点からの立場分類 5
3. 原子力発電の歴史的=社会的形成の分析視点 5
(1) 「自然科学」-「工学(技術を対象とする科学)」-「技術」-「製品」-「ビジネス(事業部間、企業間、産業間などの協調と競争)」-「国・地域(国間・地域間などの協調と競争)」 5
(2) 社会的諸活動の相互的連関 — 原子力村問題(企業・政治・行政・研究者・技術者・マスコミのそれぞれの原子力発電関係者が構成する複合的ネットワーク)、科学イデオロギー、技術イデオロギー 5
(3) 技術の選択主体や選択の場の差異による選択基準の差異 — 技術の社会選択の階層性・多重決定性 5
(4) 「Module —> Product」視点(要素技術開発-技術統合-製品開発の相対的分離と結合) 5
(5) 「System of Product」(広義) 間競争視点 5
4. 原子力発電事業を論じるためのエネルギー論関係の基本的データ 5
(1) エネルギー自給率の歴史的推移 5
(2) エネルギーバランス 7
6. 原子力発電をめぐる論争点(1) — 福島原発事故以前からある基本的な論点 9
(1) 「地球温暖化」論 — 「地球環境に優しい優れた資源」「温室効果ガスの排出量を減少させる不可欠の手段」としての原子力発電正当化論 9
(2) 「化石燃料資源の有限性」論 — 高速増殖炉擁護論 11
(3) 「安定供給」論 — 「エネルギー安保」論 12
(4) 「再生可能エネルギー」批判 15
a. 主要エネルギー源としての量的不十分性 16
b. 太陽光などの再生可能エネルギーはコスト高、風力は不安定かつ陸上の設置場所は限定されている 16
c. 燃料電池擁護派への批判 —「燃料電池は,水素と酸素の化学反応で発電するため,大気汚染の心配がなく,地球温暖化の原因となる二酸化炭素も出さない」という主張に対する批判 16
(5) トリレンマ問題論 — 「持続的経済成長」、「エネルギー安全保障」、「地球温暖化対策」の三者間のトレードオフ関係に対応する最良の技術的手段としての、原子力発電 17
(6) 低リスク論(1) — 原子力発電事故による死亡リスクの相対的低さ 18
a. ラスムッセン報告 18
b. 大規模災害間の被害比較 19
c. 健康上のリスクに関して、炉心損傷事故による放射線被曝のリスクは、自動車事故と同程度か、より少ない。 20
(7) 低リスク論(2) — チェルノブイリ事故など実際の原発事故における死亡数の低さ 21
(8) 低リスク論(3) — 軽水炉型原子炉の固有の安全性論 23
(9) 低発生頻度論 — 原子力発電所事故の発生頻度の低さ 25
(10) 低リスク論(4) — 低線量被曝の「無害性」論(しきい値論) or 「有用性」論 25
(11) 「国益」論 — 「国際社会から公認されたウラン濃縮と再処理能力を有する唯一の非核兵器保有国」としての日本 25
(12) 「必要悪」論 —原子力発電の「事故発生低確率」論に代わる推進論 25
(13) 世界的な原子力発電の見直し — 2005年以降の状況(現大綱策定後の状況変化) 26
7. 原子力発電推進論(2) — 福島原発事故以後で注目されている擁護論 27
(1) 合意形成論的対応 — 新たな国民の合意形成 27
(2) 合意形成論的対応 — これまでの擁護論に対する社会的信用の低下・・・正当性に関する新しい主張の必要性 27
(3) 合意形成論的対応 — 想定外論への反省/ゼロリスク信仰批判 — 「絶対安全」の誤謬の回避、確率論的リスク評価に基づく改善、および、対策ができていない残余リスクに対する社会的受容に関する合意形成(新たな受忍限度論) 28
(4) 合意形成論的対応 – 社会全体としてのマクロなコスト=ベネフィット論の不適切性 29
(5) 合意形成論的対応 – 社会的技術的複合問題としての原子力発電問題 29
(6) 合意形成論的対応 – 「社会的=合理的態度論」・・・「リスクがゼロでないなら受入れられない」という一般国民の非合理的な態度への批判、科学的=合理的態度の「強制」論 29
(7) 「ゼロリスク信仰」批判 — ゼロリスクは無理、科学技術の本質的随伴物としての危険性(「物質文明の光と影」論) 30
(8) 「産みの苦しみ」論 — 最初から完ぺきな技術やシステムはない。過去の事故は社会の進歩にとっての「産みの苦しみ、育ての苦労」であり、我慢すべきものである 30
(9) あらゆる事態に直面してもなお対応が可能な頑健な新システムの構築の必要性と可能性 — 安全確保に関する旧来の考え方の不適切性は反省すべきであるが、新たな管理運用体制の構築は技術的に不可能ではない 31
(10) 思想論的対応 — 複雑系への工学的対応の必要性 — 還元主義的思考批判(reductionistic なものの見方の限界) 31
(11) 技術的対応可能論 — 「技術的改良による安全度=信頼度向上」論 31
(12) イデオロギー的対応 — 日本の原子力発電技術の技術水準の高さ論>日本の原子力発電技術による国際貢献論(福島事故以前から提唱されていた議論であるが、最近も強く主張されている) 36
(13) 「優秀性」論 40
8. 「Alternative Technology」論的次世代原発論 40
(1) 小型化・長寿命化を優先目標とする「Alternative」原子炉技術の開発 40
a. 小型化・・・立地問題対策、海外進出対策 40
b. 長寿命化 41
c. キャンドル炉(candle燃焼方式炉) 41
d. 鉛ビスマス冷却長寿命小型安全炉(LSPR)・・・ニュークリア・バッテリー 41
9. 増殖炉問題 42
10. 原子力発電批判論(1) — 伝統的批判 43
(1) 「自主・民主・公開」論的視点からの批判 43
(2) 「経済性・効率性」優先批判・・・「安全性軽視」・「基礎科学軽視」批判 43
(3) 「技術的未熟性」「技術的不完全性性」批判 — 科学的可能性はあるが、技術的には未確立で未成熟な技術or不完全な技術である 43
(4) 地震国日本における原子力発電所設置の危険性 43
(5) 再処理問題/「核のゴミ」(廃棄物の最終処理)問題 43
(6) 核物質の輸送プロセス・保管などに関わる危険性 43
(7) 原子力発電の熱効率の低さ — 大量の温排水問題 43
(8) 再生可能エネルギーの無限性・・・化石燃料と同じく、ウラン燃料の本質的有限性 43
(9) 「科学技術文明批判論」「物質文明批判論」—- 現代的科学技術文明が内包する「根本的欠陥」論 43
(10) 「企業倫理論的責任」論 – 事故発生時の損害保険に入ることができないような事業や賠償責任を果たすことができない事業に取り組むべきではない(事業者責任を全うすることができない事業を行うべきではない) 44
(11) 安全性確保のための投資を回避するための論理としてのリスク論 — 安全対策コストとリスクのバランスを考えることの問題点 44
(12) リスク論批判 44
11. 原子力発電批判論(2) — 最近の批判論 45
(1) 技術システム政策的対応 — 火力発電所・製鉄所などの技術的性能の国別不均等発展 45
(2) 日本におけるプロフェッショナルな技術的専門家の不在 — 日本の原子力関係者はゼネラリストであり、全部中途半端で専門性が育たない(技術者論的不完全性論) 46
(3) 「生みの苦しみ」論批判 46
12. 原子力発電コスト問題 47
(1) 政府による最近の試算 47
(2) コスト問題に関する議論の仕方 50
(3) 発電コストに関する基礎的資料 52
13. 発電方式の比較評価のための視点 53
(1) 発電方式別のライフサイクルCO2排出量 53
(2) 総合的比較 53
14. 経済政策的脱原子力発電論(1) — グリーン技術に関する技術革新によるグリーン市場の創出 54
15. 福島原発事故の原因に関わる批判的検討 54
(1) 「想定外」論批判(1) — 「日本の設計基準値の甘さ」批判 54
(2) 「想定外」論批判(2) — 「万一の事態に対する対処策の不備」「安全軽視体質」批判 54
(3) 「冷却材喪失事故(LOCA)の危険性」問題 — 原子核分裂を停止させても、核分裂生成物の放射性崩壊によって大量の熱が発生することへの対策の困難性 55
(4) 福島第1原発の初期設計の問題点 57
a. 元は海面から35mの高台の土地を、高さ10mまで削り取って建設 — 安全よりも、海水の効率的取水を優先した初期設計 57
b. 非常用電源としてのディーゼル発電機の設置場所 57
16. その他の論点 57
(1) 連系能力問題 57
- 佐野正博(2014)「原子力発電実用化前の原子力利用推進論:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介 Part 1」『技術史』(日本科学史学会技術史分科会)No.9, pp.1-249.
- 佐野正博(2016a)「技術史・技術論視点から見た原子力発電文献ガイド:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part 2-1」『技術史』No.10,pp.12-69.
- 佐野正博(2016b)「技術史・技術論視点から見た原子力発電文献ガイド:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part 2-2」『技術史』No.11,pp.22-81.
- 佐野正博(2017a)「技術史・技術論視点から見た原子力発電文献ガイド:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part 2-3」『技術史』No.12,pp.18-51.
- 佐野正博(2017b)「技術史・技術論視点から見た原子力発電文献ガイド:原子力利用に関する批判的検討のための資料紹介Part 2-4」『技術史』No.13,pp.24-51